社長ブログ

プロ野球が開幕しました。　私は幼いころは大の巨人ファンでしたが、自分で会社を作り、ある時からめっきりプロ野球に冷めてしまい、ほとんど見ることがなくなりました。
巨人ファンでなくなってしまったからです。

設立後ずっと考えている事が、組織作りです。会社は組織であり、組織がうまく機能すれば、スパースターの能力は比ではありません。　感の良い方は何故巨人ファンでなくなったのかがもうお解りかと思います。　

組織力はどうしたら養えるのか？
私は20代前半に業界で一番ハードワークと言われていた運送会社に勤めた事がありました。（もろもろの事情から1カ月だけでしたが・・・）そこで私はこの会社が急成長した理由のひとつが解ったのです。　研修期間を終えて最初に付いた先輩は最悪でした。　彼は事故を起こし、間もなく倉庫作業に配置換えが決まっていたので、私への指導なんかどうでも良かったのでしょう。　自分がサボりたいのでサボり方はしっかり教わり、忙しい時でも自分は車で居眠り、私に荷物を全て運ばせ、少しでも遅いと集荷が間に合わね～！と怒鳴りつけ・・。

ある時別の先輩に付き添う事になり・・・私、「今日一日よろしくお願いします！・・・と助手席に乗り込み」、先輩、「お前、稼ぎに来たんだろ～」、私、「はい」、先輩、「今日は荷物はさわらなくていい、ただ俺の後に付いて見てろ・・・」　これが初めて交わした言葉でした。　担当エリアに着き、すぐさま席から降りて荷物を降ろし、小走りで運びます。手ぶらの私は付いて行くのがやっとでした。　あるマンションの１０階への配達、私はエレベーター方向に向かった瞬間、先輩は階段方向へ・・・。直ぐ向きを変え付いて行く始末です。　怒りもしないで言われました。「階段の方が早いし、体力が付く・・・今日はそれほど荷物は多くないから、先に片づけて後で休ませてやるからもう少し頑張れ・・・」と手ぶらの私を励ますのです。

このように育てられた新人はどのように育つのでしょうか・・・。
少なくともこの時の私は、もしこの先輩がリーダーになったら、志願してその組織に入り、貢献したい、そして褒められたい。この人の下であればハードな仕事内容でも苦にならない。　　と・・・。  自ら身を粉にして自らやって見せ、同じようにやれば稼げるようになるよ・・・と言わんばかりに後輩に教え伝えるその姿を見て、この先輩が組織を持った時に惜しみなく貢献したい。と素直に思えたのでした。　各リーダーは７，８人の部下をまとめ、他のグループと売り上げを競い合い、自分のリーダーを更に昇格させさらに男にしよう！　と張り切るのです。　また、ある一員が大量の荷物を受注した時も無線で仲間を呼べば各人忙しいなかでも人の手柄をいっさいひがむ事無くすぐさま助けに向かう・・、と言う、まさに強靭な団結力ができあがっているのです。この会社はこのような組織を形成するよう研修段階から講師が自ら示し、徹底教育しているのです。

このような組織を作ると言う事が家族でも会社組織でも最近共通しておろそかになってきているように思います。　自己の都合だけで子を怒り、自己の都合だけで新人を怒り、使う。またはまるで気にかけることなく放置する。　これではされた側は感謝の情どころか憎悪しか残らず、その反動は新たな新人へと引き継がれ悪循環に組織は崩壊して行くのだと思うのです。

中小企業では、多額のお金でスパースター並みの社員をヘッドハンティングする事はできません。
今一度、組織力を強化する必要があるのではないかと、遅まきながら反省をするところです。